不動産税務 損益通算

2016年7月3日(日曜日)

損益通算とは、2種類以上の所得のうち、利益と損失の所得がある場合、利益の所得金額から
損失の所得金額を一定の順序に従い差し引くことをいいます。

“損益通算できる所得”
〇不動産所得〇事業所得〇山林所得〇譲渡所得

“損益通算できない所得”
〇配当所得〇一時所得〇雑所得

※損益通算は青色申告/白色申告問わず適用可。また、不動産・事業・山林・譲渡所得
の損失は、損益通算可能な所得同士(不動産所得と事業所得、事業所得と山林所得等)
においても損益通算が可能です。

(不動産所得)・・・不動産所得の“土地の取得”に要した負債利子は損益通算できません。
一方、“建物の取得”に要した負債利子は損益通算できます。

(上場株式の譲渡損失)・・・“上場株式の譲渡損失”は申告分離課税を選択した“上場株式
の配当所得”と損益通算可能。

(譲渡所得)
総合課税・・・ゴルフ会員権の譲渡による損失は原則として損益通算はできません。
分離課税・・・土地・建物の譲渡による損失は損益通算できません。

「繰り越し控除」
青色申告書を提出した年に生じた純損失(損益通算を行ってもまだ控除しきれない損失)
の金額は、翌年以後3年間にわたり繰り越し控除できます。

◇第一次通算◇
ⅰ.経常所得グループ(利子所得、配当所得、給与所得、雑所得)
ⅱ.一時所得グループ(一時所得)のグループに分け、それぞれ赤字と黒字を通算します。

ⅰ.(経常所得グループ)
「不動産所得」と「事業所得」の赤字を、“利子所得”“配当所得”“給与所得”“雑所得”の黒字から差し引きます。
ⅱ.(一時所得グループ)
「譲渡所得」の赤字を“一時所得”の黒字から差し引きます。

◇第二次所得◇
第一次通算の結果において赤字が残っている場合、
ⅰ.(経常所得グループ)と
ⅱ.(一時所得グループ)の間で損益通算を行います。

◇第三次所得◇
ⅲ.超長期所得グループ
第二次通算の結果において、まだ赤字が残っている場合、“山林所得”“退職所得”から控除します。
(山林所得が赤字の場合、まず一時所得グループから。次に経常所得グループ、最後に退職所得から控除します。)

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