日本の建築の歴史3
第3回目は、鎌倉時代~安土桃山時代の建築物についてです。
武家が栄えた鎌倉時代からは、見た目よりも実用性が重視されました。
敵からの攻撃に備え、部屋と部屋を切り離した「武家屋敷」が誕生します。
武家屋敷は、敵を遠くから監視できるよう丘の上に建てられ、屋敷の周囲には、
敵からの侵入を防ぐため、堀を造り、網代編みの竹垣などで囲む工夫が施されています。
また、畳が誕生したのは鎌倉時代です。
室町時代には「書院造」が誕生します。書院造とは、ざっくりいえば、平安時代に栄えた寝殿造を簡素化した建築様式のことです。
武士たちを中心とした住宅形式で、平安時代の貴族の住宅形式だった寝殿造から発展し、
日常の生活機能を充足するために変化や改良が加えられています。
建物の一体化として、対屋(たいのや:主人の妻子が住む建物)を寝殿と一体化して同じ建物としました。
渡殿(わたどの:寝殿と他の建物をつなぐ廊下)を撤去し、寝室への移動を簡略化しました。
調度品の造り付けの対応として、置き型だった調度品を建物内に固定化、しつらえの手間を緩和しました。
書院造では畳で床を敷き詰め、襖や障子で部屋を仕切っていました。日本の家屋の基本の形ができた時代といえます。
時代が少し後になりますが、江戸時代初期に徳川家康が築城した、二条城は、住宅様式である書院造の代表例です。
国宝であると共に現在では世界遺産にもなっています。
安土桃山時代には、書院造をベースに本来ならば別に立てる茶室を合体させた「数寄屋造り」が誕生します。
数寄とは、和歌や茶の湯をはじめとして風流なことを好むことを指しており、数寄屋とは好みに任せて作った家ということを意味します。
床の間は書院造りに比べてシンプルで自由、段差も少ないところが特徴です。
桂離宮新御殿、修学院離宮、伏見稲荷大社御茶屋、小泉八雲旧居等に
その特徴を感じることができます。
↓写真は、二条城。
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