西洋の建築の歴史8
第8回目は、ゴシック建築についてです。
ゲルマン人は、ローマ建築から発展させ、ロマネスク建築を造り上げました。(西洋の建築の歴史7参照。)
ロマネスク建築の課題は、
強度の問題で壁を分厚くした分、高く造ることが難しい、窓が少ないといった点でした。
ゴシック建築は、ロマネスク建築には無い画期的な技術を駆使し、ロマネスク建築よりも高く、壁に大きな窓を開けることができました。
重厚なロマネスク建築と違い、「見た目をいかに軽くするか」を究めた結果と言えます。
★ゴシック建築の3つの特徴★
・尖頭アーチ
・リブ・ヴォールド
・フライング・バットレス
先端が尖った形状の尖頭アーチによって柱の配置が自由に行うことができるようになりました。
そして、リブ・ヴォールド・フライング・バッドレスの登場によって、
天井の推力を支えることが可能となったことにより建築物の重量軽減が可能となったことから、
上に上に高く聳え立つ双頭建築が可能となっています。
リブ・ヴォールドについて説明すると、
ヴォールト(穹窿/きゅうりゅう。アーチを平行に押し出した形状を特徴とする天井様式や建築構造の総称)の表面が、
対角的なアーチ型のリブ (肋骨の意味) の枠組みによるウェブ (蜘蛛の巣) に分割されます。
リブ・ヴォールトの使用により、より高く薄い壁の建設が可能となりました。
フライング・バッドレス(飛梁/とびばり)について説明すると、
身廊のボールト (穹窿) の横圧を受止め,それを側廊側壁のバットレス (控壁) へと流す斜め梁を指します。
ゴシック様式の特徴である高い天井を横から支えるための機能の事です。
パリのノートル・ダム大聖堂などの側面に,櫛の歯のように並んでいるのが見られます。
この開発によって身廊側壁が開放され,ステンドグラスなどの開口部として用いられるとともに,ゴシック建築独特の構造美が生まれたのです。
このフライング・バットレスのおかげで、ステンドグラスや大きな窓が可能になりました。
ゴシック建築の代表例は、ドイツのケルンにある「ケルン大聖堂」です。
1880年に完成した大聖堂はフランス式ゴシック様式のカトリック教会で、約632年の歳月をかけて建てられました。
リブ・ヴォールドの円天井や尖頭アーチが施されたゴシック様式特有の開放感を感じる聖堂内。
高さとキリスト教の神を意味する光を最大限に取り入れた造りです。
多くの柱にある壮麗な装飾、天井にある山型の尖頭アーチ、高層窓を彩るステンドガラスが特徴的です。
天に向かって突き出た塔は157mの高さを誇ります。
ファサードの繊細な彫刻は、近くで見ると重厚感を感じますが、
塔自体に高さがあるので、
開放的な感じを受けます。
高く高くから神が見守ってくれているような
光あふれる聖堂です。
↓ケルン大聖堂
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