◎西洋の建築の歴史26

2023年6月4日(日曜日)

第26回目は、

「構造表現主義」と「脱構築主義」です。

 

「構造表現主義」とは、

構造(形式)の特性をそのままにした表現です。

平面を湾曲さえたシェル構造や折板構造、

吊り構造等により、柱のない大空間を具現化。

これは、コンクリートの高度な技術の発展によるものです。

 

構造表現主義の代表例:

シドニー・オペラハウス(オーストラリア・シドニー)

独特な貝殻(シェル)が目につく外観。

デンマークの建築家ヨーン・ウツソンが設計。

貝殻のような同じフォルムのリブヴォールト(参照:西洋の建築の歴史8)を繰り返し、

ヴォールトが扇形に寄り集まってドームを形成しています。

その造形の美しさと先進的な構造設計の両面において、高い評価を受け、

代建築として、2007年に世界文化遺産に登録されました。

 

一方で、

従来の四角い形を脱し、

激しく歪んだ建築が「脱構築主義」です。

東京オリンピックの新国立劇場設計で、一時期話題になった

ザハ・ハディド氏も、脱構築主義を掲げています。

 

脱構築主義の代表例:

ビルバオ・グッゲンハイム美術館(スペイン・ビルバオ)

CADを用いて設計されています。

平らな面が建築のどこにもない!!

チタンパネルの外観は

圧巻の存在感!

まるで、金ピカの宇宙船のようで、

観る者の目を楽しませてくれます。

 

古くから大切にされてきた「構造表現主義」と、ユニーク且つ斬新な「脱構築主義」、

この2つの主義が主役となって、建築界を賑わせております!

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