西洋の建築の歴史7
第7回目は、ロマネスク建築についてです。
4世紀終わり、当時のヨーロッパを支配していたのは、ローマ帝国でした。
北方の匈奴(きょうど)という民族に追われたゲルマン人たちは、続々とそのローマ帝国内に逃げ込んできたのです。
これが俗にいう、「ゲルマン人大移動」です。
これにより、ローマ帝国は混乱状態に。
ゲルマン人とローマ人は全く違う民族です。
結局、ローマ帝国は東西に分かれ、ゲルマン人が多く流入した西ローマ帝国は滅びました。
東ローマ帝国はビザンツ帝国としてビザンティン建築を発展させていきます。(西洋の建築の歴史6参照。)
西ローマ帝国跡地を牛耳ったゲルマン人たちは、ローマ帝国内に残されていた建築技術(ローマ建築)を参考に、
完成させたのが「ロマネスク建築」です。
また、11世紀から12世紀の西ヨーロッパで広まった建築などの美術様式を「ロマネスク様式」といいます。
ロマネスク建築の傑作は、イタリア中部トスカナ州の都市ピサにある、
ピサ大聖堂です。
ファサードの細かな彫刻が目を引きます。
聖堂内部の広間は,ローマ建築に由来するバシリカ様式が採用されています。
また、ロマネスク様式の特徴として、半円アーチが繰り返し使用されています。
ピサ大聖堂も、廊下の天井やドームにおいて半円アーチの形状が見られます。
↓ピサ大聖堂
こうしたロマネスク様式の建築では,石造の屋根の大きな重量を壁面が支えなければいけないため,
建物の高さは抑えられて低くなり,また壁が厚く窓が少ないといった課題がありました。
この結果,ロマネスク様式の聖堂は,重厚感を持ち,内部は薄暗い印象を受けます。
より深く、神とつながるような、
どっしりとした信仰心を持てそうな環境です。
ロマネスク建築の、
強度の問題で壁を分厚くした分、高く造ることが難しい、窓が少ないといった
課題を克服したのが、ゴシック建築です。次回に続きます。
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