2023年民法改正ポイント1
西洋の建築の歴史は一旦お休みし、
今回から5回にわたって、2023年4月施行の民法改正ポイントを取り上げます。
★相隣関係規定の見直し★
① 隣地使用権の拡大
変更点:隣地の使用については、従来から境界またはその付近における障壁・建物を築造・修繕する場面での隣地使用が認められていましたが、隣地使用権が拡大されました。
効果:このことにより、境界標の調査または境界に関する測量、および隣地の竹木の枝の切取りのためにも隣地の使用が可能になりました。
②竹木の枝の切除
今まで:隣地から竹木の根が所有地に入り込んできたときには、根を切り取ることができます。
他方で、従来は竹木の枝については、所有地に入り込んでも、竹木の所有者(隣地の所有者)に切除を申し入れることができるだけで、無断で切り取ることは不可能でした。
変更点:改正では、竹木の枝についての取扱いが見直されました。自分で竹木の枝を切り取ることはできないという原則は維持しながら、例外として、
1,竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき、
2,竹木の所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないとき、
3,急迫の事情があるとき、という3つのケースでは、隣地の所有者の了解を得ないで、
自ら枝の切り取りが可能になりました。
③ライフラインの供給設備の設置
変更点:土地の位置関係や形状によっては、隣地に設備を設置し利用しなければ、日常生活に必要な電気・ガス・水道などのライフラインの供給を受けることができない状況が生じることがあります。
これでは、日常生活に支障が出てしまいます。
改正にでは「土地の所有者がほかの土地に設備を設置し、または他人が所有する設備を使用しなければ電気、ガス、水道水の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができないときは、継続的給付を受けるために必要な範囲内で、ほかの土地に設備を設置し、または他人が所有する設備を使用することができる」という定めが新設。
いかが、でしたか。
不動産取引を知る上、
また宅建士試験にも役立つと思います。
次回も、民法改正ポイントを取り上げます。
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