◎西洋の建築の歴史25

2023年5月30日(火曜日)

第25回目は、ドイツ表現主義とロシア構成主義、そしてこの二つの芸術運動の対比についてです。

 

ドイツ表現主義は、20世紀初頭のドイツで起こった芸術運動。

現実の建物とは異なる、独特な形態やデザインを持つ建物を追求しました。

建物の外観に感情や内面の世界を反映させおり、奇抜で幻想的なデザインを採用。

 

表現主義建築の代表例:アインシュタイン塔(ドイツ・ポツダム)

第一次世界大戦後の資材不足により、煉瓦造の上にコンクリートが被さっています。

塑像のような曲線で外観は構成されており、強いインパクトを与えます。

 

ロシア構成主義は、1920年代初頭にロシアで発展した芸術運動です。

機能性と合理性を重視し、装飾性を排除することで、革新的な建築の形態を表現しようとしました。

幾何学的な形状やパターンを好んで採用。

 

ロシア構成主義建築の代表例:シューホフ・タワー(モスクワ・ロシア)

双曲面状の構造。積雪時に積もりにくいところが特徴です。

鉄線を格子状に配置しています。

シューホフ・タワーの形状は、ロシアの編み籠にヒントを得ていると、言われています。

 

奇抜で幻想的な「感情」を表現するドイツ表現に対して、「機能性と合理性」を重んじたロシア表現。

相反した芸術性ではありますが、当時の時代背景や国の趣向が感じられますね!

 

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