◎西洋の建築の歴史２７

第２７回目は、

「モダニズム」と「批判的地域主義」です。

 

「モダニズム」とは、

20世紀初頭に登場したモダニズムは、鉄やコンクリートなどの建築素材を

使用し、合理的に、機能的に、幾何学的な建築物を造っていきます。

装飾を排除し、簡素化し、工業製品の建材によって、

低コストで、建築物が短期間で造れるようになっていきます。

モダニズムは、まず住宅から浸透し始めます。

 

モダニズムの代表例：ニテロイ現在美術館（ブラジル・ニテロイ）

「花をイメージした」と設計者：ニーマイヤーは語っていますが、

地元の人は、空飛ぶ円盤と呼んでいます。

大杯のような形で、シンプルで大胆な美しさ。

曲線的な階段、白と赤のコントラスト、

華美な装飾はないけれど、

その分、観る者に想像力を委ねる自由さを感じます。

 

一方的で「批判的地域主義」とは、

地域固有の文化と普遍的な現在文明との統合を目指した

建築を指します。

視覚的モチーフに頼らず、触覚や聴覚も含んだ空間的なアプローチの作品が多いのが特徴です。

 

批判的地域主義の代表例：メキシコ国立自治大学中央図書館（メキシコ・メキシコシティ）

外観は、メキシコ特有の民族的な壁画で覆われます。

壁画としては世界最大です。

アステカ文明やスペイン侵略をモチーフにした絵などが描かれています。

建物の形状は、シンプルな四角。

批判的地域主義の特徴がよく表れている建物です。

世界遺産に登録されています。

 

自由且つ合理的な設計の「モダニズム」と五感を刺激する「批判的地域主義」。

どちらも観測者へのアプローチが独創的で大胆な建築方法となっております！