対抗問題(1つの土地や建物をめぐって争いになる場合について)

2017年2月20日(月曜日)

皆さんこんばんは。利回りくんです。

今日は「対抗問題」について以下のケースについて考えていきたいと思います。

 

(Q1)対抗問題

 BさんはAさんから土地を購入しましたが、登記を移す前にAさんはCさんに二重にその土地を売ってしまい、Cさんが先に登記をしてしまいました。その際Cさんは、Bさんが先に土地を買ったことを知っていました。(知っていたというだけあって、他に何の事情もありません)。

 この場合、先に買ったBさんは、登記が無くてもその土地の所有権の取得をCさんに主張することが出来るのでしょうか。Aさんの所有する土地をBさんが購入するという売買契約が締結された後に、Aさんがその土地をCさんに二重譲渡してしまった場合を考えてみましょう。

 Aさんが悪い人かどうかは別にして、BさんとCさんが、「この土地は俺のものだ」と言ってお互いに一歩も譲らなかった場合、この土地はBさんのものにするのか、それともCさんのものにするのか、はっきりさせる必要があります。

 このBさんとCさんのような、1つの土地や建物をめぐって争いになる場合のこと対抗問題といいます。BさんもCさんもきちんと契約を結んで土地を買った人ですから、その勝ち負けを決めるためには明確な基準が必要です。

 

【対抗問題】

 

             ①売買契約成立

[ 土地 ]A(売主)――――――――――――――B(買主)

        ┃                               ┃

  ②売買契約 ┃                 ┃

        ┃                 ┃

      C(第三者)←―――――――――――――――

            ③所有権を主張できる

              (対抗問題)

 

 そこで、民法は、土地や建物といった不動産の所有権の取得についての勝ち負けを決するための基準として、「登記」を採用しています。

 つまり、不動産に関する所有権の取得は、登記をしなければ、第三者に対抗することができないのです。

 従って、BさんがCさんに勝つためには、登記を備えていく必要があります。登記が基準となりますから、仮にBさんが購入しているのを知っても、Cさんが先に登記を備えてしまえば、Bさんの負けということになります

 

(A1)

よってこのケースは、Bさんは、Cさんに土地の所有権を主張することが出来ません。

 

なお、1つの不動産をめぐって、不動産を買った人と借りた人、不動産を買った人とその不動産を抵当に有している人との間で争いになっている場合でも、いずれが勝つかは、登記を基準に判断することになっています

 

次回は、「配信的悪意者」についてご説明いたします。

では次回をお楽しみに!

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