「賃貸住宅管理業者」として ~「「かぼちゃの馬車」事件」~②

2023年8月10日(木曜日)

前回は「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」法律の背景・目的とサブリース契約の問題点・トラブルをご紹介いたしました。

今回は、この「サブリース契約トラブル」の発端となった事件をご紹介いたします。

 

「かぼちゃの馬車」事件

皆さま、「かぼちゃの馬車」事件をご存知でしょうか。

これは2018年に社会現象となり、不動産業界・不動産投資に対するマイナスイメージの基

となってしまったであろう事件です。

 

概要

S会社(仮名)という不動産会社が取り扱っていた、「かぼちゃの馬車」という女性専用シェアハウス。

インターネットや光熱費を含んだ家賃は安く、「トランク一つで即入居可」という宣伝文句通り、

地方から上京してきた女性たちに人気の物件でした。

 

その人気さから、都内を中心に約800棟もの「かぼちゃの馬車」が建築され、数100名もの投資家たちが

物件を購入、運営しておりました。

 

S会社は「かぼちゃの馬車」を購入したオーナー様たちとサブリース契約を締結しました。

内容は、空室リスク、家賃滞納リスク等の回避の他、入居者募集や管理業務の委託、更には利回り約8%を約30年間得られるという、

夢のような条件を提示したのです。

しかし、その契約内容はS会社の首を絞めてしまう結果となりました。

S会社からオーナー様へ支払う家賃が、入居者からS会社へ入る収益より高くなってしまったのです。

(これを「逆ザヤ状態」といいます)

それにより、資金繰りの悪化を招き、オーナー様への支払いが滞りが発生。

更には、S会社による不正な審査書類の作成及び金融機関への提出、建築請負のキックバックの割り増し等が発覚。

負債額は約1,053億円にも膨れ上がり、2018年5月、S会社は破産手続きをとることになりました。

 

不動産業界・社会への影響

「かぼちゃの馬車」事件以降、事件に関与した地方銀行は行政処分され、

金融機関による投資物件への融資基準・審査は、非常に厳しくなりました。

例:収益不動産会社の検証

物件価格の検証

オーナー様となる人の資産状況の確認

オーナー様への返済不能リスク、金利上昇リスクの承諾

 

又、この事件により不動産会社への風当たりは強くなり、不動産業界全体の信用イメージダウンとなりました。

 

「かぼちゃの馬車」のその後

「かぼちゃの馬車」のオーナー様はその後、宿泊施設や施設、他法人の寮として貸し出し、運営を行っております。

一部のオーナー様は被害者の会を設立し、弁護団と共に事件へ関与した地方銀行と和解後、海外のファンドに物件を売り、

事業の再生を目指しております。

 

この事件からの教訓

・「サブリース契約」自体は決して悪ではない

上記の事件によりサブリース契約に悪い印象を持たれる方も多かったかもしれません。

ですが、何事もメリットとデメリット、両方が存在します。

メリット:空室リスクの回避

家賃滞納リスクの回避

入居者募集、管理の委託 etc

 

デメリット:契約内容によっては、サブリース契約の解約が起こる

家賃相場の変動による減額

提案された高利回りの保証による事業者の破綻 etc

 

いかがでしたでしょうか。

上記の事件のような損害、損失を防ぐためには、高利回りだけに注目するのではなく、

立地の視察や契約内容の確認、業務内容、金融機関の融資条件の確認を行うことが大切です!

 

初めて不動産物件を購入される方、検討されている方、既に物件を所有されている方、

是非、弊社へご相談、お問い合わせください!

 

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