大気汚染防止法改正によるアスベスト事前調査の報告の義務化について

2022年6月10日(金曜日)

こんにちは、
大気汚染防止法改正によるアスベスト事前調査の報告の義務化について取り上げます。
段階的に大気汚染防止法改正によるアスベストの扱いに規制が掛けられます。
今年4月からは、アスベスト事前調査の報告の義務化が施行されました。

 

◎段階的なアスベストの扱いの規制
2021年4月1日施行の内容
1 規制対象の拡大

従来規制対象とされていた吹付け石綿及び石綿含有断熱材等だけではなく、
令和3年4月1日以降は石綿含有成形板等も法律の規制対象となり、新たに作業基準が設けられました。
レベル3建材については、従来どおり特定粉じん排出等作業を伴う建設工事(特定工事)の実施の届出は不要ですが、
作業計画を作成し、当該計画に基づき作業を行うことになりました。

2 作業基準遵守義務者の拡大

作業基準遵守の徹底のため、元請業者のみに課せられていた作業基準の遵守義務を、
下請負人にも課せられるようになりました。

3 発注者への作業結果の報告

特定工事の元請業者は、特定粉じん排出等作業が完了したときは、作業が適切に行われているか確認し、
その結果を書面で発注者へ報告することが新たに義務となりました。

2022年4月1日施行の内容
4 事前調査結果の報告

一定規模以上の解体等工事の元請業者又は自主施工者は、調査結果を事前に報告することが義務付けられました。
報告用に新たに電子システムが整備される予定です。

報告の対象

・床面積合計80平米以上の解体工事
・請負代金合計100万円以上の建築物の改造・補修作業
・請負代金合計100万円以上の環境大臣が定める工作物の解体・改造等工事
※請負代金には材料費及び消費税を含みます。

2023年10月1日施行
5 事前調査の有資格化
事前調査について、一定の知見を有する者(建築物石綿含有建材調査者等)にしか行うことができなくなりました。

6 罰則の強化
隔離等をせずに石綿及び石綿含有断熱材等の除去作業を行った場合や事前調査の結果を報告しない場合に対する直接罰の規定が新たに設けられます。

7 その他の改正内容
上記の改正の他、事前調査の方法、事前調査結果の記録の作成・保存の方法、特定粉じん排出等作業の記録の作成・保存の方法並びに立入検査対象などについても改正されます。

※2022年6月10日現在

 

 

◎不動産とアスベスト
2006年から不動産の取引に関し、
重要事項説明書の中で、
アスベスト(石綿)使用調査の有無は重要事項説明書記載事項の一つ、となりました。

宅建業者は取引する不動産について、
アスベストの使用調査を行ったか否かを重要事項説明時に伝える義務があります。
湿式石綿含有吹付け材が使用されなくなった1989年以降の建物であれば、恐らくアスベストは使用されていないと推測できます。
貸主又は所有者が石綿使用調査をするかどうかは任意のため、重要事項説明書にはその記録があるかないかを記載する必要があります。

そもそもアスベストはS造(鉄骨造)の構造を補強するために
使用されるケースが多かったので、
仮にアスベストが建物に使用されていても、
屋根や壁を壊すなど、大掛かりな作業をしなければ、
(つまり居室内で普通に生活する分には)
アスベストを吸い込む可能性は低いと考えられます。

アスベストとは石綿(せきめん、いしわた)と呼ばれる天然の鉱物繊維を指します。
安価でありながら、耐久性、耐熱性等において優れた特性を持っていたため、以前は建築資材として使用されていました。
しかし石綿繊維を大量に吸った場合に人体に悪影響(発がん性がある)を与えることが判明したため、現在では段階的に使用が制限されています。

アスベストの特性として、
紡績繊維性(他の繊維より細い)、耐熱性(500度まで安定)、抗張力(ピアノ線より強い)、耐薬品性(酸、アルカリへの抵抗力が高い)、
保温性、耐久性、絶縁性、耐摩擦性、防音性などに優れた特性を持っています。

アスベストの危険性として、
アスベストは繊維が細かく軽いため、飛散しやすく、人がアスベストを吸引すると肺に残り、数十年の潜伏期間を経て肺がんなどを発病するとされています。
飛散の可能性は使われ方によって違いがあります。

ちなみに、競売物件で
評価が非常に低かった物件は、
事件や事故性のあるものよりも
アスベストが全面的に剥き出しになった物件と言われています。

 

 

◎法による規制で人々を守る
日本の建築物は、欧米と比べると、
地震などの災害も考慮し、
スクラップアンドビルドを繰り返しています。
つい先日、銀座のカプセルタワーも解体となりました。
現在、建築物を新たに建てる際は、アスベストの使用等は法により規制されているため、人体への被害は
少ないと考えることができますが、
問題は老朽化した建物の解体や改造に関して
アスベストが使用されている可能性が高いため
どうやってアスベストの飛散を抑えるかが問題となります。
今回の段階的な法の規制は、
まさにスクラップアンドビルドの日本の建築事情を
反映させた施行と言えるのではないでしょうか。

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